掃き溜めの鶴

どこにでもいるフツーの26歳のリアル

4年目

まわりの友達から遅れること4年、ようやくスタートラインに立った。

ウィッグは頭の形も毛質も毛量もどれもほぼ同じで、どんな仕上がりでも何の文句も言ってこない。

それは気が楽だし、とことん追求できる楽しさに、ずっとこのままがいいなんて思ってた。

テストには落ちたくないけど、人に入るのは嫌。人を切るために美容師になったのに、人と向き合うことに怯えていた。

期待や好奇心より、こわがりで臆病な自分が前にいた。

 

そしてはじめての入客。

意外と冷静な自分がそこにいた。

恐怖と不安で今にも逃げ出したいくらい怯えていたけれど、いざお願いしますって声が聞こえるとスンッと落ち着いた。

もうやるしかないっていう諦めと、何より後ろに心強いトレーナーさんたちがいるっていう安心感があったからか。

 

1日10人ほど入らせてもらって、、率直に楽しかった。

難しいことも、曖昧なことも多々あったけれど形になる楽しさを感じた。

もっと色々なスタイルに対応できるようになりたい、そしてもっとうまくなりたい。

これまでとはまた違うやる気が出てきた。

がんばろう。